SNSの発信を続けていると、投稿ごとに再生数、いいね、コメント、保存などの数字が見えてきます。数字は大切な手がかりですが、見方を誤ると、判断を間違えてしまいます。
この記事では、数字を見るときに私たちが気をつけている点を、「保存」と「1本だけの大当たり」を中心に整理します。数字を約束する内容ではなく、数字とどう付き合うかの考え方です。
いいねより、保存に注目する
いいねは、押すのが手軽な反応です。一方、保存は、見た人があとでもう一度見返したいと思ったときに押します。つまり「自分にとって価値がある」と感じた目安のひとつと考えられます。
たとえば、仕事で使える手順や、チェックリストのような動画は、保存されやすい傾向があると感じています。逆に、気持ちのよい雰囲気だけの動画は、いいねは集まっても保存までは行かないことがあります。
もちろん、保存が多ければ必ず良い、ということではありません。ただ、いいねだけを見ていると気づけない「役に立った」というサインを、保存は拾ってくれます。
数字は組み合わせて見る
ひとつの数字だけで判断せず、いくつかを組み合わせます。
- 再生数:どれだけ見られたか
- 最後まで見られたか(視聴の長さ):中身が見る人に合っていたか
- 保存・シェア:あとで見返したい、または誰かに伝えたいと思われたか
- コメント:反応したくなる内容だったか
たとえば、再生数は多いのに最後まで見られていないなら、冒頭のフックは強いが、中身が期待と違った可能性があります。再生数が少なくても保存が多いなら、届いた人には深く役立っているのかもしれません。
1本だけ急に伸びたとき
発信を続けていると、1本だけ他の投稿よりも突然伸びることがあります。うれしい出来事ですが、ここで注意したいことがあります。
その1本を「勝ちパターン」と決めつけない
伸びた理由は、内容が良かったからとは限りません。たとえば、次のような可能性が考えられます。
- 誰かが外部(他のSNSやメッセージ)で共有してくれた
- たまたま、そのときの話題と重なった
- 投稿した時間帯と、見る人の動きが合った
外部での共有が起点だと、同じ内容を作っても再現しないことがあります。1本の結果だけで「この型が正解」と判断すると、次の投稿の方針を誤るおそれがあります。
確認してみること
- 保存やシェアが、その1本だけ多くなっていないか
- どこから見られたのか(流入元)がわかるか
- 同じ型でもう一度作ったとき、同じように伸びるか
私たちは、この3つを確かめながら、1本の結果は「ひとつの観測」として扱っています。
同じ形式で、中身だけ変えても伸びないとき
「この内容が当たったから、同じ形式で中身だけ変えてみよう」と試すことは、よく行われます。ところが、中身を変えても、結果がほとんど変わらないことがあります。
こうしたときは、内容そのものではなく、形式か届け方が足かせになっている可能性を考えます。たとえば次のような見直しがあります。
- 形式:動画の長さ、冒頭の見せ方、画面の構成、テロップの出し方を変える
- 届け方:投稿する時間、キャプションの書き方、関連する投稿との並べ方、外部での紹介の仕方を変える
内容を変えるだけでなく、変数を1つずつ変えて比べると、何が効いているかを読み取りやすくなります。
数字を見るときの心がまえ
- 数字は結果であって、理由ではない。理由は自分たちで仮説を立てて確かめる
- 少ない本数のうちは、偶然のぶれが大きい。数本の結果で結論を出さない
- SNSの仕組みは外から完全には見えない。「〜と考えられる」にとどめて、断定しない
- 数字が悪くても、落ち込みすぎない。次に変える点を1つ決める
採用の発信での考え方
採用の発信では、再生数が多いことより、応募したい人に届いたかが大切です。そのため、再生数だけでなく「保存された」「質問が来た」「応募ページを見た人がいた」といった、行動に近い反応を見ていきます。数字の大きさを競うのではなく、会社に合う人に届いているかを見る、という視点を持つと、数字に振り回されにくくなります。
数字を見る頻度とタイミング
数字は、投稿した直後に何度も見ても、状況はあまり変わりません。投稿した当日は増え方を見るだけにとどめて、判断は数日たって落ち着いてから行います。また、毎日見ると一喜一憂しやすくなるため、見る日を週に一度などと決めておくのも一つの方法です。
見るときは、必ず「前の投稿と比べてどうか」という視点を持ちます。単独の数字は、良いのか悪いのかがわかりません。比べる相手があって初めて、数字に意味が出ます。そのためにも、変更点とあわせて台帳に、数字と変更点を並べて残しておくことが役に立ちます。
数字が悪いときの考え方
数字が思うように伸びないとき、「内容が悪かった」とすぐに結論づけるのは避けます。まず、冒頭で離れていないか、投稿の時間帯は合っていたか、見る人に伝わる言葉になっていたか、順番に確かめます。
うまくいかなかった投稿は、うまくいった投稿と同じくらい大切な材料です。何が違ったのかを並べて考えると、次に試す点が見つかります。数字を、評価ではなく次の手がかりとして使う。そう考えると、数字との付き合いが楽になります。
まとめ
- いいねだけでなく、あとで見返したいサインとして「保存」を見る
- 再生数・視聴の長さ・保存・コメントを組み合わせて判断する
- 1本だけ急に伸びたら、外部で共有された可能性も疑い、すぐ型にしない
- 同じ形式で中身だけ変えても伸びないときは、形式や届け方を見直す
- 変えるのは一度に1つにして、前後を比べる
- 採用では、応募したい人に届いたかを基準にする