応募の連絡が来た。うれしくて返信したのに、返事が来ない。ようやく日程が決まったと思ったら、当日に来ない。採用の現場では、「応募はあるのに、面接まで進まない」という悩みがよく聞かれます。
原因は、応募した人のやる気が低いから、とは限りません。多くの場合、日程を決めるまでのやりとりが多く、その間に気持ちが冷めてしまうことが背景にあります。
この記事では、面接の日程の決め方を見直すことで、決まらない・来ないを減らす方法を紹介します。面接を例にしていますが、見学や職場体験、面談の予約にもそのまま使える考え方です。
日程調整でつまずく理由
よくある日程の決め方は、こうです。
- 応募者に「ご都合のよい日時を教えてください」と聞く
- 応募者が候補日を返す
- 会社の予定と照らし合わせる
- 合わなければ「その日は難しいので、別の日は?」と聞き直す
この流れは、一往復するたびに時間がかかります。応募者は、返信を待っている間に別の求人を見始めるかもしれません。仕事や学校の合間に返信するので、ひとつ返事が遅れるだけで、数日が過ぎてしまいます。
「聞いてから探す」が問題
根本的な原因は、相手に聞いてから、こちらの空きを調べている順番にあります。この順番だと、条件が合わなかったときにやり直しが発生し、やりとりが何往復にも増えます。
空き枠を先に出す
そこで順番を逆にします。こちらの空いている枠を先に見せて、相手に選んでもらうのです。
やり方
- 応募があったら、すぐに面接の空き枠を3〜5個ほど案内する
- 相手は、その中から選んでタップ(またはクリック)する
- 選ばれた時点で日程が確定する
イメージは、美容院やクリニックのネット予約に近い形です。「日にちを教えてください」ではなく、「この中からお選びください」と提示します。相手は考える手間が少なく、返信の文章を書く必要もありません。
応募の熱が高いうちに決める
応募した直後は、気持ちが最も高まっている時間です。このタイミングで空き枠を出して、そのまま確定まで進めると、やりとりの途中で気持ちが冷めることを防げます。
気をつけること
- 空き枠は、実際に空いている日時だけを出す:予定を確認せずに枠を出すと、確定したあとで「その日は行けません」と言う羽目になります。
- 選ばれた時点で、枠を押さえる:同じ枠を2人が選ぶことがないよう、確定した枠は他の人に出さないようにします。
- 確定後に、確認の連絡を送る:日時、場所、持ち物を、すぐに送って安心してもらいます。
合う日がない人のために「希望日フォーム」
空き枠を出しても、「どれも合わない」という人は必ずいます。このとき、そこで終わらせてしまうと、応募そのものが消えてしまいます。
そこで、枠の案内に「合う日がない場合」の入り口を付けておきます。押すと、希望の日時を第1希望から第3希望まで入力できるフォームが開く、という形です。
- 入力された希望と、こちらの空きを照合する
- 合う枠があれば、すぐに案内する
- 合うものがなければ、担当者が別の日を調整する
応募者にとっては「自分の都合を伝える場所がある」という安心感になります。会社にとっても、日程が合わないという理由で応募者を失うことを減らせます。
未確定の人には、翌日に1回だけ再送する
空き枠を案内したのに、選ばれないまま時間が過ぎることもあります。忙しくて見られなかっただけ、というケースも多いです。
そういう人には、翌日に1回だけもう一度案内を送ります。
- 再送は、1回に限る:何度も送ると、しつこいと感じられて逆効果になる
- 文面は短く、押せば選べる状態にしておく
- それでも反応がない場合は、担当者に知らせて、人から声をかけるか判断する
再送の目的は、「見落としていた人」を拾うことです。反応がない人を放置すると、静かに応募が消えてしまいます。反応がない人を見える形にしておくことが大切です。
確定したあとのリマインド
日程が決まっても、当日に来ないことがあります。決まってから面接日まで時間が空くほど、忘れたり、気持ちが変わったりしやすくなります。
そのため、確定後は段階的に連絡を入れます。
- 数日前:日時と場所、持ち物の再確認
- 前日:「明日お待ちしています」の一言
- 当日の朝:集合の時間と道順
連絡の中身を工夫する
リマインドは、事務的な通知だけだと読み流されてしまいます。「当日は〇〇が担当します」のように、会う人の名前を入れる、道に迷いやすい場所の目印を添えるなど、相手の不安を減らす内容にします。
行けなくなったときに、簡単に変更や取りやめを伝えられる入り口も用意しておきます。連絡せずに来ないよりも、事前に「行けません」と言ってもらえるほうが、会社にとっても助かります。
入り口から面接までを一続きで考える
動画やSNSで職場に興味を持ってもらい、公式LINEなどから応募してもらう。ここまでが「入り口」です。入り口で興味を持ってもらっても、日程を決める段階でつまずいてしまっては、せっかくの応募がもったいなくなります。
採用の仕組みを考えるときは、動画を撮って投稿するところで終わらせず、応募への返信から面接日の確定、当日までの連絡まで含めて設計することが大切です。
まとめ
- 面接に来ない原因は、日程を決めるまでのやりとりが長く、気持ちが冷めてしまうことにも
- 「聞いてから探す」をやめて、空いている枠を先に出し、選んでもらったらその場で確定する
- 合う日がない人のために、希望日を入力できるフォームを用意する
- 選ばれないままの人には、翌日に1回だけ再送し、何度も送らない
- 確定後は、数日前・前日・当日の朝にリマインドを送り、会う人の名前など安心できる情報を添える